ハードボイルドは痛い
- 作者: 藤原伊織
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/11/01
- メディア: 文庫
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で、それでも私が読むハードボイルドは、原りょう(やっぱりこの漢字出ない。『寮』のウ冠が無い字)とこの藤原伊織である。藤原伊織は『テロリストのパラソル』でほとんど一目惚れ、『ひまわりの祝祭』で絶対新刊は読むぞと誓いを新たにしたものの、寡作なんだな〜。長く会社員との兼業作家さんだったのを退職されたそうなので、これからはもう少しお目にかかれるでしょうか。
藤原伊織の作品も、やっぱり痛いは痛い。でもとにかく読み始めると止めることができないので、長編を一気に読んでしまう。文章力だなーと思う。そして、ハードボイルドだけど弱者に注ぐ視線も優しい。だから救われるのかもしれない。原題の『ホワイトノイズ』を改題した『てのひらの闇』は、誰にもある弱い部分を優しく見つめる視線を象徴しているようで、好ましい。
しかし、主人公のお父さん格好良すぎでしょう。万が一映画化されたら、高倉健以外この役できる人はいませんな。