ふるさとの言葉

流星ワゴン (講談社文庫)

流星ワゴン (講談社文庫)

ぼちぼちと読み、やっと読了。きっと救いのある結末だろうと信じていられたから読めたけど、途中には救いがなく暗い暗い部分もあり、なかなか難物であった。最後に救いがあってよかった。ハッピーエンドと言い切れるかどうかは疑問だけど、まあハッピーエンドなんであろう。
重松清、やっぱりけっこう面白い。でもいったい誰が読んでいるのかな? 30代後半既婚男性が読むと、すごく身につまされ、そして少し救われるのではないかと思うのだが、彼らはそれこそ働き盛りで小説なんて読んでいる暇はないんじゃないだろうか。週刊誌とかの連載で読むのかな? 文庫を読む暇はなくても週刊誌なら読んでそうだ。
重松清岡山県出身で、主人公もたいてい瀬戸内近くの出身である。言葉が近い。今回の作品では「チュウさん」が喋る言葉がときどき音声として耳奥にこだましてしまい、面白かった。曰く「親はのう、それがいちばんなんよ」「辛抱せんといけん、親なんじゃけえ」などなど……。津山の父かと思ってしまいました。微妙に言葉遣いは違うけど、なんとなくねえ。
また機会があったら、別の重松清も読むかもしれないけど、著作が多すぎてどれから読んだらいいのやら?