飛行機(国際線)

成田はわかりにくい。しかも、なんでかわかんないけど、表示板に我々が乗る飛行機の案内が出ていない。夫が聞きにいって、出てないけどとりあえず入ればいいということで搭乗&出国手続きへ。特に問題もあるわけないのでスイスイと進むと、1時間以上前にゲートまでついてしまった。えーと、どうすりゃいいのさ? こんなに時間があって。
とりあえず手持ちの現金の半分をポンドに替える。あとは、娘に朝の分の薬を飲ませる。でもまだまだ時間がある……。娘をトイレに誘うも、個室の狭さと周りのいろんな音が気に入らないらしく、一緒に入っているのさえ嫌らしい。しかも案の定緊張しまくっていて、朝から一滴も何にも出ていない。なかなか不穏な状態である。
興奮して靴も脱いで歩き回る娘の制御に限界が来た頃、やっと機内へ。国内線での教訓を生かして、食べ物とおもちゃは手元に置いて、いざスタンバイ。なんと言っても12時間もあるのである、親も緊張する。とりあえず離陸してしまうまでは歩き回るわけにいかないし頼んであるコットも使えないので、この時間が一番機嫌良くしておいてほしいところなのである。しかし……案の定、マーフィーの法則に則りグズグズグズグズ言う娘。もらったばかりのポケモンのおもちゃとエビセンでだましだまししている間に、なんとか安定飛行にまでこぎ着けた。ふうう……さあ、ここからが長丁場である。どうしよう?
安定飛行になって間もなく大人には飲み物が来始めたので、早めに食べさせちまえ、と娘の分の食事をもらう。娘の普段の食事時間も過ぎているし、ちょうど良い……はずである。やってきた子供用食事は、パンダの形のパンとクリームシチューみたいなものと、諸々。しかし何が気に入らないのかあまり食べない……。まあ気に入らないと思うよ、狭いしザワザワしているしいつも食べているもんとはだいぶ違うしいろいろと思うようにならないしさあ。でも、みんな我慢してるんだしもうちょっと協力的にしようよ。といってもわかるわけがないので、娘の食事は適当に切り上げて大人の食事を一人ずつもらってもそもそと食べる。(この辺りで、あまりに娘が落ち着かないので空席だった隣の席まで我が家の陣地化してしまった。)私は和食をもらったのだが、「ぬくいチラシ寿司」という前代未聞の食べ物であった。しかもパンがつく。さすが(何が?)である。
機内食アバンギャルドさに感服して食事を終える頃、そろそろ機内はだんだん暗くされてきたので寝なければならない。ぜっっっっったい眠いはずなのに眠れずぐずる娘をだっこして機内をうろうろ……。一通り大泣きしたあと、やっと睡眠。あーやれやれ。映画も見たいがとにかく一緒に寝るか。
……しかし、2時間も寝ないでごそごそし始めてしまった。嗚呼、地獄の第一幕が開いてしまったわ(by遠藤淑子)。まだ完全には覚醒していないようでごそごそぶつぶつ言うもののそれほどのパワーもなく、なんとかだましだまし中間地点までこぎ着ける。このへんで、かなり久しぶりにオシッコが出る。あまりに溜め込んでいたためさすがの日本製紙おむつの能力も超えてしまったらしく、母の衣服まで濡れてしまった……。頼むよー、念のため着替えがあるからよかったけど、本当に母泣きそうだよー。既に母はかなり限界。
中間地点ではストレッチがあったり夜食が出たりでちょっとは機内が明るめになる。少々ごそごそしてもいいか、ということでまあごそごそ。しかし、このあと再び機内は暗くなるのであった……まさに地獄の第二幕。
母の抱っこで機内をうろうろするのも限界に達したので、バトンタッチして父の抱っこでうろうろ。しかし泣き方はグズグズを通り越してきた。要するに寝かそうとしなきゃいいんだ、と腹をくくってテレビを出してトムとジェリーなどかけてみる。特に興味はなさそうだが、画面が明るいので眠気がまぎれるらしく、少しはおとなしくなる。しかし結局ほとんど寝ないまま、時はものすごいのろさでしか過ぎていかない。何を食べているわけでもないのにいきなり大便をやらかしていたり、本人も相当混乱していたと思われる。(何しろ、最近はかなりの割合で朝食後のオマルで大は行っていた。)長い長い時間を時々機内をうろうろしたりトイレに入ったりして気を紛らわしているうちに、やっと到着前2時間半にこぎ着けたのであった!!
ここまで来ると、また機内は明るくなって機内食が出る。こんなに明るい機内が嬉しいと思ったことはありません。何しろ私も夫も飛行機に乗ったら寝るという人間なので(時には機内食をパスしてさえ)このフライトはつらかった。つらかった代償といっては何ですが、スリッパをいただいてまいりました。半年間だいじに使わせていただきたいと思います。
ANAの国際線に関しては、「良くも悪くも国際標準」が我が家の感想。乗り心地(操縦)はよかった。離着陸はかなり上手でした。サービスは、ちょっと慇懃無礼だった。要求しない限り何もしてくれなかった。気を回す、ということはしないことになっているふうであった。おもちゃをあとで持っていくといわれたらしい(夫しか聞いていない)が、結局持ってきてくれなかった。紙おむつは要求したらいっぱいくれたが、ドレミ(最安と聞いたような気がする)だった。などなど。ま、シートがよかったのがやっぱり一番よかったです。
そして、着陸直後、娘は寝た。もう寝なくてもいいんだっつの! 到着後、くてんくてんに寝ている娘を抱っこして歩いている我々を見て、同じ飛行機に乗っていた女性2人組に「今寝てしまったの、一番都合悪いようになるのよねー、経験あるわー」と笑われました。す、すいません。