はじまり&不動産

朝食後、夫はいったん大学へ行き、ボスの車で我々をピックアップしに戻ってきてくれることになった。待っている間にB&Bの亭主に「4泊で予約してあるけど、これからフラットを探しにいくので、早く決まればキャンセルするかもしれないんだけど、キャンセル料は……」と聞いてみたら「それは料金が決まってるので、キャンセルが決まったら言うから」とだけ言われた。ちょっと不穏だがしょうがない。宿前で娘を遊ばせていたら車が到着、まずは入居候補のフラットの一つ(日本にいるときからメールで情報を聞いていたほう)を見に連れて行ってもらった。
だいぶ北上したなあ、と感じたところにその物件はあった。大家の奥さんが日本人だということで、屋内土足禁止だし、炊飯器や日本製の電化製品もあるし、各種取説には日本語の書き込みも散見される。イギリスの不動産はどこを見ればいいのかわからないけど、私の感覚で見る限り、感じのいい住まいであるという印象。続けてもう一軒見に行くのかと思ったら、いったん大学に戻るというのでついていく(しかないんだけどな)。
大学で夫の机を見たあと「お茶」につきあう。あとでわかったのだが、この研究室では11時と4時がお茶の時間と決まっているらしく、学生は全員出るとは限らないがボスは必ずその時間にお茶に出るという流儀だそうだ。そういうわけで研究室のメンバーと顔を合わせてちょっとお話ししたあと、もう一件を見に連れて行ってもらう。
今度は町の中心部から東の方へ移動したところ。車の中から見る範囲では柄が悪いように思われる地区を抜けて、少しさびしい感じの住宅街の中の集合住宅の中だった。やっぱり物件はどこを見ればいいかわからない。前のところとの大きな違いは、集合住宅の3階であることと、ガスが使えないこと、当然土足禁止ではないこと、くらいかな? また、後から考えるとバスの便は悪そうだった。値段はこちらのほうが1割くらい安かったが、どちらにしても日本の感覚でいうとべらぼうに高い。日本は家賃が高いなんて、ありゃ嘘だ。こちらは家具がついているという点を差し引いたって、とっても高い。よくある「海外物価比較」なんてのは、いったいどこをどう比べているのであろうか。アメリカの事情ばかり紹介してもしょうがないであろうに。
ということで、ぐだぐだ考えてもしょうがないのでスパッと前者に決定。連絡を取ってもらうことにした。娘はそろそろお腹はすくし眠いしでグズグズ言っているので、私と娘はいったんB&Bに帰してもらうことにする。