歩く

教会から下りてきたところで娘が寝てしまったので、運動靴に履き替えて、もう少しセール中の店をぶらぶら見てからいよいよ今日の本題「foot pathを歩く」に移る。イギリスには散歩道がいっぱいある、と聞いてきた。歩け歩けの我が家としてはぜひチャレンジしたい課題の一つである。今日は簡単な所で、テムズ川方面を歩いてみようという計画である。地図によれば、市街地から駅のある西方向へ歩いていくと川があり、その川沿いにfoot pathがあるらしい。
市の中心部から数分歩くと、あっという間に繁華街は終わり、ちょっと趣のある橋が現れた。どうやらそのたもとから散策道が出ているようだ。いざ出発!
Oxford Canalがどうのこうの、という碑を通り過ぎると、あっという間に二筋の流れに挟まれたただの獣道。右側がCanal、左側がCastle Mill Streamという支流らしい。道の細さとしては哲学の道みたいな感じだが、全然そんな観光化された雰囲気はなく、北白川の疎水沿いを歩いている感じに近いかな? Canalには船が停泊しているのだが、ポストがあったり洗濯物が干してあったりして、そこで生活している様子である。いいの???
ずんずん北へ進んで行く途中、最初予定していたテムズ川沿いにはこのままでは出ないことに気がつく。それはちょっとつまんないや、ということで進路を変えてPort Meadowという河川敷?を目指すことにする。地図を頼りに進んでいくと歩道がなくなり、不安になった所でmeadowが現れた。……嵐が丘の印象だ。
芝ではない(と思う)牧草?みたいな短い草がずーっと生えている緑の野原である。テムズ川の水面が少し先に見えたが、地面とすごく近い高さである。時期によってはここはもう少し湿地っぽいのかもしれない。集落も遠くに見えるけど、本当に遠く。ありゃー、地平線が感じられる広さである。バギーに乗っていた娘が「おりるおりるおりるおりる」とうなり出した。おろしてやるとタッタカターッと駆けていっておおはしゃぎである。広いのが嬉しいのか? 異様に興奮しているというかはしゃいでいる。もう4時近くになっていたのでそこでおやつにしたのだが、あまり(いつもほどは)食べないで、歩きたくてしょうがない感じ。せっかくなのでmeadowの中を歩いて北上してみることにする。
歩いている人がけっこういる。一人の人もいるけど、家族みんなで歩いている人たちも多い。自転車の人や、娘より小さいくらいの子を乗せたバギーを押している人もいる。みんな思い思いの格好で思い思いの方向へずんずん歩いている。といっても、何しろめちゃめちゃ広い野原なので人の姿はぽつぽつとしかない。風がざーっと吹いていくので、今日みたいにいい天気でなかったらさぞかし寒かろう。
小一時間歩いたところで、娘が「だ!だ!」と抱っこを催促し始めた。そろそろmeadowから出ておかないと道もわからなくなるので、人界に戻って娘をバギーに乗せた。あっという間に住宅街である。しかも10分も歩くといつも買物に行くSummertownの商店街である。あーあれはなんだったんだろうか。トリップしてきた感じ。イギリスってすごい。
娘が寝てしまったのをいいことに、Marks&Spencerでワインとチーズを買ってアイスキャンディをなめながら家まで歩いて帰りました。よく歩いた。疲れました。