もらう

というわけで、いつもどおり夕方に娘をバギーに乗せてだらだら歩いて帰っていた。娘はご機嫌で何やらずっと鼻歌を歌いながらバギーに長々と伸びていてひとりで完結しているので、私もかなりぼーっと考えごとというか妄想をめぐらしながらバギーを押して歩いていたら、ふと気がつくと後ろから声がかかっていた。はっ、なんでしょう??
近所のおばあさんとおぼしき女性が、「ちょっとあげようと思って」。はい? 見ると、手には何やら菓子袋。えーと、なんだなんだ?と現実に復帰しない私をよそに、おばあさんはバギーの前に回り込んで、娘に「ご機嫌で歌ってるねえ」と話しかけている。そして、私のほうを見て「あげてもええやろか、エイセイボーロ、大丈夫?」と袋をかざしてみせるではないの。「ええ、もちろん、大丈夫ですけど、あら、ありがとうございます、ほら、ありがとうは?」とびっくりしている私とは逆に、娘はさっと手を出して早速エイセイボーロを数粒いただいております。「ありがとう」というが早いか、まるっと口に入れて目がきらきら。そら美味しかろう。
おばあさんは我々が朝な夕なに通るのをよく見ているらしく、「あずけてはるの?」「お仕事はどちら?」と次々と質問を繰り出し、最後に娘と握手をして残りのエイセイボーロを袋ごと下さって去っていきました。まーありがとうございます。娘はうちに帰るまで袋を握りしめ、帰り着くなり「たべる!」と主張してまた数粒ゲット。しばらく「いいもん」に不自由しなさそうです。
それにしても、通学路でいろいろもらうなあ。車や自転車じゃなくて歩いているから、話しかけやすいからかな? まあ有り難いことでございます。人気者だねえ、娘。