歳をとる私

新・世界の七不思議 (創元推理文庫)

新・世界の七不思議 (創元推理文庫)

このシリーズは前作ともども「ミステリ連作」と銘打って刊行されているんだけど、それってどうなんだろうか? トンデモとはもちろん言わないが、ミステリというのとは違うような気がするなあ。じゃあ何かといわれると「娯楽読み物?」という腰の引けた答えしか用意できないのでもうミステリでいいかっていう気にもなるんだけど。
とにかく、前作の「邪馬台国はどこですか?」を読んだときには「全然好みじゃない」とばっさり断じ、おそらく本そのものも中古屋に売っぱらうか何かして手もとから放したと思うのだが、久しぶりの丸善で本棚を見ていたらこの姉妹編を発見してむずむずと読みたくなり、すーっとレジに持っていってしまったのですね。
最近、妊婦のせいなのかもしれないけど変に深刻な内容のものとかできるだけ読みたくないのですねえ。お気軽で、罪がなくって、ちょっと気が利いていて、何も残らないような活字を読みたいらしい。ポジティブに言えば、そういう娯楽も正当に評価できるような度量が備わったということになるのかもしれないけど、レジに並びながら「あー歳とったなあ私」とちょっと思ったことであります。
期待どおりすらすら読めて特に何も残らず安パイでありました。書くほうは大変かもしれないんだろうけど、読むほうってほんと無責任だからなあ。念のため書き添えておくと、安パイに面白かったです。