バスに乗る

ということで、今日は用事をこなしまくるためにバスに5回も乗ってしまった。そのうち2回は空席があって座れたけど、1回は席を譲ってくれた人があって座れ、1回は全く座れなかった(修学旅行で浮かれまくっている君たち、君たちに占拠されていたせいなのだよ)。そしてもう1回は少し事件があった。
病院からファミサポ説明会への移動時に乗ったバスは、ちょうど座席が埋まってしまっているくらいの状態で、乗ったときにちょっと惜しかったなあと思った。同じバス停から乗り込んだ学生風の若い女性が、私の様子をちょっと見たかな?と思ったら、すっと優先席の前へ通りやすいようにのけてくれたように思えたので、有り難く優先席の前に立たせてもらう。しかし、優先席4席(低床バスだったのでそれだけしかなかった)は40代くらいのおばさま4人にビチッと占拠されており、おばさまがたはおしゃべりに夢中らしく前に立ったのが妊婦であることにはお気づきにならない(あるいは気づかないことに決めている)様子。市バスの路線マップを握りしめていらっしゃるし、なりからいってもどうも観光中らしいので、こりゃ無理だなと諦めてぼんやり立っていることにする。
妊婦とはいえ、バスで移動するときには基本的には席を譲ってもらえるかもしれないという期待はしないことにしている。期待すると外れたら悲しいからなんだけど。イギリスから帰ってきた当初は「まーなんてモラルのない国なのかしら」と改めて驚いたが、いちいち腹をたてても胎教に悪いだけで何もいいことはない。しんどくなったら途中でもバスを降りてタクシーに乗ろうと決めているが、そこまで悲惨な体調には幸いならないですんでいるので、まあバスを使っている。
というようなことを改めて考えながら、それでもどこか席がうまく空かないかなーとキョロキョロしながら乗っていたら! 近くに立っていた女性(同じバス停から乗った例の学生風の)が、優先席のおばさまがたに「余計なことかもしれませんが、そこは優先席なので妊婦さんに譲って上げたらどうですか」と仰るではないですか!! えーっ、そんなこと言ってくれちゃうの!? おばさまがたは一瞬きょとんとして彼女を見ていたが、「全然気がつかなかったわ」とかモゴモゴ言いながら2人も立って下さった。いや、さすがにまだ1人分の座席に座れますんで、と思ったが、せっかくなのでおばさまがたと勇気ある彼女にお礼を言って有り難く座らせていただきました。いやー、やっぱり楽だわー有り難いわー。もしかしたら周囲は気まずい雰囲気になっていたのかもしれないが、なにしろ私も自分で思っていたよりは疲れていたらしくとても有り難かったので雰囲気などという些細なことは気になりませぬ。降りるときにも改めて彼女にはお礼を言いましたよ。ええ、本当にありがとう。
しかし、まわりにはいい歳をした方もいっぱいいらっしゃったのに、そういうことを言ってくれたのが若い女性であったというのは意外というかなんというか。席を譲ってもらうのはときどきあるけど、譲ってあげたらどうかと言ってもらったのは日本では初めてである。そんな日本も情けないのではあるが。なにしろありがとう彼女。