黄色い悲鳴

兆候は無くはなかったのである。昨晩から突然排泄に目覚めたらしく、ほぼ授乳のたびにウンチをするようになった娘2。これまでの3日も4日も何も見ない状態とは雲泥の差である。やっぱり出るものが出ているほうがこちらとしては安心なので、最低気温が20℃を切ると出るようなサーモスタットでもついているのかしら?とかおバカなことを考えつつもよしよしと思っていたのである。
んが、惨事はお風呂で起きた。
(註)以下は決してお食事中には読まないで下さい。特にカレーとか南瓜系。
昼間買い物で連れ回したせいか夕方もずいぶん深く眠っていた娘2、私と娘1の夕食が終わったところでちょうど目覚めたので授乳して様子を見ていたが、いったんはウトウトしたもののだんだん目が覚めてきた。眠ってくれればお風呂には娘を1人ずつ入れようと思っていたのだが、もう寝なさそうなので三人一緒に入ることにする。
娘2はガーゼを巻いた状態で浴槽内にフロートで浮かべ、先に娘1と自分の頭を洗う。昨日と一昨日は、頭を洗うときに娘1が泣き声をたてたので娘2もつられていったん泣いていたのだが、今日は娘1は泣かずにすんで、娘2もご機嫌で浮かんでいる。ときどきお股から泡が上がっていて、気持ち良さそうな脱力顔である。よしよし今日はいい調子、次は身体を洗うよーということで泡立てたスポンジを娘1に渡し、自分は洗顔しようとしたところで、浴槽から「んんんんっ!」という声が。えっ、それって、いつもはウンチを出すときにいきむ声だけど?と娘2を見ると、表情は涼しいままだが身体に力が入っているような気が……と見つめるうちに、もう一度「んんんんんっ!んんっ!!」という声がしたかと思うと、お尻の下に黄色いものが現れてきたではないの!!! きゃあああああ、どうしよう!?
私が手に洗顔フォームのチューブを持ったまま固まっていたのは一瞬のことだと思うのだが、その間にあっという間に黄色い物体は膨らみそして拡散を始めた。とにかく黄色い物体を広げないようにせねばと思い、洗面器で爆心地近くのお湯を掻い出し始める。しかしその間にも黄色い物体の生産と放射は続き、汚染は浴槽全体に広がってきた。ダメだこりゃ、と娘1を洗い場の隅に避難させて、フロートごと娘2を洗い場に出す。その間にもいきみ続ける娘2とその下に広がる黄色い物体……なーんでそんなに出続けるのよおお?(号泣)
もうどうにもならないので娘1は緊急避難させることにする。様子を見ると、マイペースな娘1はこの騒ぎの中も案外にじょうずに自分で身体を洗っていたらしく全身に一応泡がついた形跡がある。よしもうこのままお風呂終わりにしちゃえ。「娘2ちゃん、ウンチしたん?」と明るい声で尋ねる娘1の身体の泡をシャワーで流し、「そうなの、だから今日はもう上がってね、1人でパジャマまで着てね」と言い聞かせて身体を拭き、風呂場から出すと足音も高く走り去っていった。ああ、ここまで育っていてホントーによかった。半年前だったら状況はさらに絶望的だったであろう。
さて、洗い場を振り返ると、ウンチまみれのフロートの上で機嫌良く四肢をワキワキと動かしている娘2。まあ機嫌良いのがせめてもの救いか。浴槽のお湯はと見ると、全部うっすらと濁っているのでもうとても使えない。栓を抜いてお湯を抜きながら、蛇口から洗面器にはったお湯で娘2の身体を洗っていく。あ〜、これほどシャワーつきの給湯設備に感謝したことはないわ〜。近代的設備が整っていて本当に良かったわ〜。フロートのネットの上にいたおかげで、娘2そのものにはお尻以外には黄色い物体はほとんど付いていなかったのも助かった。ちょっと慌てましたが、なんとかお風呂終了にこぎ着けました。ふうううう。
最終的な被害としては、私自身の身体が洗えなかったことと、娘1がゆっくりお風呂につかれなかったことくらいか。あ、あと明日の洗濯に残り湯が使えないな。それはけっこう痛いかも。
娘1は結局一度も「お風呂でウンチ」をしないままだったので、衝撃の初体験でした。これまで噂に聞いただけであった風呂ウンチ、よりによって夫が居ないときにやるなんてさすがに大物ね娘2。今度はお父さんと入ったときにしてね。て言うか、もうしないでね。